兵庫県立がんセンター歯科口腔外科科長である重田崇至先生による
zoomセミナーに参加いたしました。
口腔がんについてという題目でしたが、とても有意義な講義でした。
普段の診療、検診に来て下さる患者さんに対して、
不本意ながら口腔がんを早期発見できれば患者さんの力になれるのですが、
一般歯科医にとっては実際にはなかなか目に機会をする事がなく、
難しい側面もあります。
先生のお話で特に印象に残ったポイントを列挙いたします。
診断をする上で大切な事は
いつから異変を感じたのか?その後の変化は?
大きくなっているのか、小さくなっているのか。
痛みに変化はないのか。
目安として2週間たっても治ってこない場合は精密検査をするべきという事。
癌の治療歴があるのかなどの既往歴。
喫煙、飲酒などの生活習慣をしっかり聞く事。
口腔癌になる前の段階として、頬の粘膜がレース状に白くなる扁平苔癬、
白板症という疾患があるが、
白い病変と赤い病変が混在するものは悪性の可能性が高いという事。
気になる箇所を触ってみて、深部にしこりがないか?
知覚麻痺などの神経症状はないかという事。
ただの口内炎は正常な粘膜と境界が明瞭であり、
境界が不明瞭なものは浸潤癌の可能性があるという事です。
最後に、先生のお言葉で、
口腔がんは直接目で見て発見できる、直接触ることで発見できるがん。
というお言葉がありました。
今後の診療に役立てたいと思います。